2008年12月12日
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暗渠に注目する加瀬竜哉さんへの注目はなぜ高まるのか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 ダカーポeditus|no river, no life Blogより

本日発売のダカーポ特別編集"ダカーポeditus"という雑誌の"トレンドリーダー100人、私のベスト10"に掲載されました。

.....お話を頂いた際、担当さんに「暗渠がトレンドなの?」と聞いたら「いえ、加瀬さんが、です」とのこと。

マスコミの注目度が上がるのは良いことなんだけど、正直"暗渠がブーム"って言われても困る。それだけオレが(特にweb上で)露出が多かった、ということかも知れないけど、今年の"トレンドリーダー100人"ですよ。オレが。んなバカな(笑)。

 今日になって、やっとダカーポeditusの現物を見ることができました。単なる野次馬根性です。すみません。

 ちなみに、この本は注目された100人という主題の他に、トレンドリーダー100人が選ぶ各自の専門分野のベスト10というコーナーがあり、加瀬竜哉さんはそちらに登場。モノクロの地味なページで、しかも1ページの数分の1しかありません。

 蓋を開けてみれば、それだけかっ! (笑)

考えさせられたこと §

 ただ、1つだけ考えさせられたのは、「暗渠がブーム」というのは意外とあり得る話だろう、ということです。

 というのは、水路・歴史ネタというのは、不特定多数の一般人に対して意外とウケるという印象があるからです。

 たとえば、神田川の話をすると突然目を輝かせる人は多いし(昔のヒット曲の影響らしい)、解説しながら玉川上水を連れて歩くとけっこう熱心に見る人も多いと感じます。

 しかし、そのような話題に自分が面白がることに無自覚的である、という印象も受けます。

 つまり、ざっくばらんに言えば「ウケる割に自覚がない」ことが多いために、一度それを自覚させる契機があれば「トレンドになりうる」のではないかと思います。

 では、どうすれば自覚できるのか。

 方法は2種類あると思います。

  • 多くの人がよく知っている対象を扱う
  • 現地へ連れて行く

 後者は手間と時間が掛かりすぎるので、個人に対しては可能でも、トレンドにするには困難です。

 とすれば、前者しかありません。

 個人的な感想で言えば、この条件によく当てはまる対象は以下の3つです。

  • 神田川
  • 渋谷川
  • 春の小川 (河骨川)

 しかし、実は神田川はほとんどの人にとって昔の流行歌として知っているだけです。この候補を除外すると残るのは渋谷川と春の小川だけです。

 そして、加瀬竜哉さんが扱っている範囲にこの2つがまさにすっぽり収まります。

 これに加瀬竜哉さんのファッション性を加えれば、まさに加瀬竜哉さんが「無自覚的な定番ジャンル」の「トレンドリーダー」になりうる資質の持ち主であっても不思議ではないことになります。

 更に付け加えるなら「暗渠」であることは見た目の意外性を強化する側面があり、その点でも神田川よりも渋谷川、春の小川の方が鮮烈です。それに、水路を通して見えてくる歴史の変転という本質を加味すれば、それはもう素晴らしく面白い「衝撃」になると思います。

余談 §

 渋谷の駅前に川があってね。実は今でも地下に……、といった話は誰に話してもけっこうウケます。かなりの人がびっくりしてくれます。これ本当。その語りを「自分の顔を見せつつ」Webでやったのが加瀬竜哉さんだとすれば、注目が彼に行くのも当然ですね。

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